チーム京都

【チーム京都ML】白い悪魔とイノベーション【TK005】
2024年12月22日
みなさま  林です。  トヨタ自動車について書こうかな・・・と思っていたのですが、どうしても印象に残ることがあったので、急遽テーマ変更。  結構前ににCORESCOPE・大久保さんに「三体」の良さを力説され、その後Netflixで映像化されたことを教えていただいて、Netflixに関心を持つようになりまして、世間の風潮から遅れること数年、やっと加入しました。  ただ、三体視聴は途中で止まってしまってます・・・汗  最近、余りに話題になっていたので、「ガンダム~鎮魂のレクイエム」を観ました。興味を持った理由は、「視点が逆」だったからです。  参考|https://www.youtube.com/watch?v=yA9vYkFY71Y  「機動戦士ガンダム」のアニメ放映が始まったのは、かれこれ40年以上間、1979年のことです。バブル期の10年前ですね。知らない方も多いと思いますので説明します。増えすぎた人口を宇宙空間に浮かんだコロニーに移民する時代になってから半世紀が経過。既に宇宙コロニーが一般的になり、宇宙コロニーで生まれ育った人の方が多くなり、地球在住の人間との格差が生まれる。そんなとき、地球から最も遠いコロニー「サイド3」が突然「ジオン公国」を宣言して地球相手に独立戦争を戦います。ジオン軍は、「モビルスーツ」と呼ばれる人型ロボットを戦闘に投入し、連戦連勝でした。戦争経過から11ヶ月、劣勢の地球連邦軍は、新型のモビルスーツ「ガンダム」を戦線に投入する・・・。このガンダムが、たった一機で強いのなんのって、並み居るジオン軍のモビルスーツ「ザク」をバッタバッタ倒していくわけです。  ガンダムが現れるまで、ロボットアニメというのはたくさんあったのですが、ガンダムが放映されてから、文字通り日本中を巻き込むガンダムブームが巻き起こりました。  ワタシの実家は文房具店でプラモデルも販売していたのですが、ガンダムのプラモデル、いわゆる「ガンプラ」というのが飛ぶように売れました。最盛期には、仕入れて陳列するのも待てなくなり、仕入れトラックが到着するタイミングを見計らって行列ができてました。箱を開けるやいなや奪い合うように売れました。ワタシも興味持って作りました。  では、何がそんなにヒットの原因になったのか?と自分なりに考えました。一言で言うと、ロボットアニメに対する「イノベーションを実現した」からだと思います。ガンダムでは、主人公がガンダムという「モビルスーツ」というロボットに乗って操縦するわけですが、この手法自体は、昔からのロボットアニメでも同じような概念はありました(マジンガーZとか、鉄人28号とか・・・古っ!)。  いろいろなモビルスーツがありましたよねぇ。ザク、ドム、ジム、ゲルググ、ガンタンク、「赤い水星」・・・・そういう名前を聞くだけで今でも興奮します(笑  話が逸れました・・汗  ロボットアニメにおける、ガンダムがもたらした「イノベーション」。それは、複雑な人間関係の導入、そして弱々しい主人公です。  主人公のアムロ・レイが登場して、地球連邦軍の新型モビルスーツ(ガンダム)に乗り込んでジオン軍相手に戦うのですが、アムロは性格的には軟弱で、「親にもぶたれたことがな」く、戦うことも良くわかってないくらいの、本当~~に弱々しいヤツです。いちいち愚痴を言っているから、なんちゅう弱々しいヤツや!と思ってました。  でも、そんなアムロが、ガンダムに乗り込んで、地球に大量に攻めてきているザクを、拙い操縦にもかかわらずバンバン倒していく・・・のがスゴかったんですよね。ビームサーベルとかキャノン砲とか、男性なら誰でも興奮する武器がたくさん出て来ます。ジオン軍相手に劣勢の地球連邦軍の戦況を挽回していきます。  ガンダムがどれほど優れているかは、ザクは大量に製造されているのに、1機しか製造されてないこと、ザクの武器で砲撃されたり、ぶつけられたりするのですが、全く傷つかずに逆にバンバン倒していくのです。  で、Netflixの「ガンダム~鎮魂のレクイエム」に関心を持ったのは、予告編、いわゆるティーザーを観たときです。といいますか、「違和感」ですね。  何が違うかって、かつての「機動戦士ガンダム」とは真逆、ジオン軍の目線で物語を描いているのです。  言われてみればそうなのですが、ガンダムを「敵側」のジオン軍から見たらどうなのか?というのは、恥ずかしながらまったく予想もしていませんでした。  年齢を重ねた今、逆の立場に立って見てみることが結構自由にできるようになりました。  「闇」の回でも言いましたが、立場を変えると神にも悪魔にもなる。不治の心臓病の娘を抱えた父親が、アメリカに渡って臓器ドナーを待ち続けている・・・親の目線で見れば素晴らしい父親ですが、逆の立場から見たら純粋に誰か(ドナー)の死を願っているという意味で、悪魔です。  Netflix版ガンダムでは、ガンダムは、「白い悪魔」と呼ばれています。で、本当~~に白い悪魔なんですよ。機動性も武器の性能も、防御性能も段違いです。たった一機で多くのザクを葬ってしまう。  運転席をビームサーベルで串刺しにするシーンがあるのですが、これ、ザク側からしたらとんでもない残虐シーンです。生きたまま、焼きながら殺される・・・ということですからね。  ネトフリガンダムを見てると、ガンダムがマジで憎くなります。自然と、ザク(ジオン軍)を応援してしまうんですよ。  でも、これも、元はといえばジオン軍がルーマニアの地球連邦軍基地を攻撃したことから始まってます(第1話)。これは、ジオン公国による地球(国)への侵略なんです。  だから、侵略された側の地球(国)が防衛するのは当然の権利(自衛権)です。  じゃあ、ジオン軍がやっぱり悪いと思いますか?  そうでもないんです。  ジオン公国が主張しているのは、いわゆる、「自決権」です。昔は民族自決権とも言われました。国の中で迫害を受けているのなら、自決権に基づいて独立を宣言する・・・というのは今までの歴史上どこにでもありました。  こうなると、どちらにも正義がありますから、片が付きません。  我々日本人なら、「話し合いで・・・」となるところですが、絶対に相容れない主張をしている場合、それができない状況というのは生まれますからね。  ネトフリ版ガンダムでも、主人公(ジオン軍モビルスーツパイロット)は最後は・・・・。あ、ここを言ってしまうとネタバレになってしまいますので止めときます。  それにしても、キャッチコピーが秀逸でした・・・。「白い悪魔」です。強烈すぎます。  そういえば、「悪魔のおにぎり」っていうのもありましたね。  立場が逆転したとき、天使と悪魔が交代する・・・ということを改めて感じました。